樋口直哉『さよなら アメリカ』

おそらく影響元と思われる『箱男』は未読です。袋を被る、という発想はなかなか面白く、途中まで楽しく読めていました。特に中盤の出逢いのシーンなどはすこぶる良かったと思います。ですが、最後のほうのまとめ方は余り納得いきません。今まで現実にとどまっていたはずの話が一気に他の世界へ飛ぶのはなー。それなりに予測される事態だったのなら良いのですが(もしくは読んでいて納得できるトリップならば)、話がまとめられないから無理やり、という風に見えました。乖離している感じ。勿論終盤の脱走劇なんかもまぁ好きなんですけど、流れとして不完全な気がします。それもわざとなんでしょうか。
『SAYONARA アメリカ』の対比で『サラバ NIPPON』と出てくるのはちょっと可愛いのでいいと思います。