佐藤友哉「憂い男」「愛らしき目もと口は緑」「レディ」を読む。(ファウストvol.6 SIDE-A掲載)

「やめてくれよ。俺はあいつらみたいな死人じゃない。俺は生きてるんだから、生きたかたちで俺を使ってくれよ。君はどうして俺を一度殺すんだよ。もっと普通に、もっと当たり前に頼れば良いじゃないか……。どうしてそうしてくれないんだ。俺の力を認めてないのか」
(「愛らしき目もと口は緑」)

やっと読みましたファウストvol.6(しかもSIDE-A)。発売してから何日経ったんだろう。ダメすぎる! 次読むとしたら北山猛邦さんの「糸の森の姫君」か舞城王太郎さん「めくるめく」ですね。
で、三篇について。
とりあえずこの作品ってすごく評価しづらいです。どのへんまでサリンジャーからのパクリなのかわからないから…。「私のひょろひょろお兄ちゃん」のラストがほとんどパクリだったんですもん!いいと思ったのに!ああっ、ユヤターン!
というわけでまぁでもこの三篇を読む限り、文章力に関してはかなり上昇していると思います。澱みない表現ができているのでは。読んでいて心地良かったです。やっぱり佐藤さんは今後文学のほうへいくんだろうな、と思いました。ファウストって土壌は佐藤友哉さんにはもうふさわしくないのかもなぁ、と思いました。
「愛らしき目もと口は緑」は創士好きの俺にはたまらなかったですね!
「レディ」の雰囲気、会話の飛び方もいいです。「憂い男」のオチも好きです。
さぁて、どこまでパクリなのでしょうか……。サリンジャーナイン・ストーリーズ』は読みたいと思っている本なので、今年のうちには読みます。あと『ライ麦畑でつかまえて』、『フラニーとゾーイー』あたりは。
『灰色のダイエットコカコーラ』と『ナイン・ストーリーズ』の単行本、はやくほしいです。今年はこの二冊に加えて書下ろし鏡家新作単行本とか、新潮に新作書下ろしとか、それで芥川賞候補とか、三島賞候補とか、そういうのがあるといいですね!なんてったって佐藤友哉ブレイク!