西尾維新『ネコソギラジカル(下)』を読み終わった。

正直すまんかった! 前言撤回! やっぱすごい、西尾維新
読んでいる途中はなんだか気持ちが冷めていて、「あぁ、何、まぁ西尾すげぇなぁ、ははん、上手いね上手いね」って感じだったんですけど(小手先の上手さというか、まぁ勿論上手いんだけど、なんていうか西尾独特さにかけるというか、余りに上手く出来ている話を読んでいるが故の不安感? みたいな? のがずっとあったんですけど)、しかし! いやぁやっぱりいわゆる『戯言文体』と『物語的盛り上がり』が上手く絡んでくるとこの人は最高に面白い!(ヒトクイマジカルでの×××のシーンとか、サイコロジカルでの謎解き直前のシーンとかが、個人的にベストシーンなのですよ)
僕はそもそもこの文体が苦手で(どっちかっていうと嫌いなくらいで)、ぬあーと思っちゃったりするんですけど、盛り上がってきたとき、気分が乗ってきたときのこの人の文体は読んでてすごい良いと思うわけであった。
今まで西尾さんの評判で『この人はものすごくベタなものを書く人だ』というものをしょっちゅう見かけて、そのたびに自分は『いやいやこの人は恐ろしいくらいひねくれものでしょう、皆何いってんの?』と思っていたわけですが、しかし今回のを読んで思わず納得。
これはベタベタだわ。
そして僕はベタなものが大好きなのでした。まる。
西尾維新さんお疲れ様でした。ありがとうございました。