日日日『ちーちゃんは悠久の向こう』を読んだ

普通に面白かった。
アンダカの怪造学』は僕が大嫌いな展開だったのと、名前が余りに西尾維新っぽかったのとで途中で読むのをやめたのですが、これは最後まですらすら読めました。文章も読みやすかった。ただ、読みやすいといってもところどころに西尾維新っぽいのが見え隠れしたり、変に難しい言葉を使っていたり、なんていうか微妙な感じではあるんですけど。っていうかところどころ片仮名にする文体は僕は基本読んでてムカムカします。ムカムカとかそういうなるべきところが片仮名になってるのは良いですけど、台詞の一部とかを片仮名にしたりする手法は僕は嫌いです。
後、壮大な地雷との名高いあとがきですが、作中の幾度にも及ぶ『学歴社会批判』を裏づけしてましたね。よっぽど学歴にコンプレックスでもあるんでしょうか。小説の中の学歴社会批判は余りに幼稚だと思うのですが…。自分が小説家になったことで学歴とか就職とかにとらわれてる愚鈍なクラスメイトどもとは別の世界に行くことができました!と要約すればあとがきはそういうことになりますね。そんな自分の居た世界を否定する姿勢じゃいかんよ、と僕は思うんですけど。っていうか小説家になったからってそんな自分を取り巻く世界が変わるもんなの? そんだけで変わっちゃうような世界観ってどうなの? そういうのでも変わんない世界観が小説家には必要なんじゃないの? とか思っちゃうのは僕が日日日さんに年がかなり近くてしかも応募とかしちゃってる人だからだろうなぁ。挑発にノっちゃダメですね(ノるは許可)。
中身それなり+文体それなり+あとがきえぇ? でプラスマイナスゼロくらいかな。勿体無い。普通に面白かったけどね。
まぁいわゆるファウスト系とかにされるんでしょうね、これ。でもファウスト系って実際ファウストに書いてる作家はほとんど入らない気がするんですけど、気のせい?