読書

絲山秋子『イッツ・オンリー・トーク』。

「何度来ても昨日生まれたような気がするんだ」 (「第七障害」) 「イッツ・オンリー・トーク」よりも「第七障害」のほうが良いと思いました。 ですが、うーん、「沖で待つ」にしろこの作品にしろ、うーん、うーん。 ただ、ノスタルジックな雰囲気はいいと…

ああっ、ユヤターンという方に…

やっぱでないじゃんフリッカー式! はやく出してよ色シリーズ! 頑張ってください鏡家新作。 以上。

阿部和重『無情の世界』

しかしオオタタツユキの耳には、どちらかというと、店のBGMのほうが、よりはっきりと、聞こえてきていたのだった。あるいはそれは彼が、無理矢理その曲だけを、聞こうとしていただけなのかもしれなかった。曲の前奏部はすでに終わっており、外国の女の歌声が…

森博嗣『τになるまで待って』。

えー!

中原昌也『マリ&フィフィの虐殺ソングブック』。

今日も誰もいない、暗い廊下で 誰かの足音が鳴り響く この世界を覆い尽くす、この饐えた不快な臭いは、一体どこから来るのだろう? 暗い廊下でただひとり、そのことばかり考えてる (「暗い廊下に鳴り響く、淋しい足音の歌」) 『あらゆる場所に花束が……』は…

京極夏彦『鉄鼠の檻』

すごい!京極小説。のオビが何についているかは忘れましたが、それにしたってすごいです。このオビは嘘じゃないですな…。いやー、久しぶりにキましたね。ラストの怒涛の盛り上がりはやばいです。うわーすごい。 禅というものに興味を持ちました。影響を受け…

京極夏彦『鉄鼠の檻』

を読んでいます。今(二)巻です。面白くなってきたところです。薀蓄はどれだけ本気で読めばいいんでしょう。距離の取り方が難しいですね。僕は一種の小道具として読んでいるので本気で中身を理解しているわけでは無いですが…。

絲山秋子「沖で待つ」(文學界〇五年九月号)

中村文則さんのインタビューを読むために借りていた文學界を見ていたら、偶然今回の芥川賞作「沖で待つ」が載っていた。ので読みました。 短い! のは別に良いんです。短いから不足がある、という作品でも無いし、長かったら面白くなるのに、という感じでも…

中村文則「世界の果て」(文學界〇六年一月号)

芥川賞受賞第一作。実験作という印象です。今までの作風と違い、一人の人間にスポットを当てているのではありません。後、現実に即していないです(今までの作品も現実に存在するかどうかは怪しい部分ではありましたが、この作品では完全にリアリティは排除…

中村文則『土の中の子供』。

素晴らしい。 僕は自分で(自分なりに、自分なりの、という言い訳で)小説を書いているわけだけれども、「この人が居れば自分が書く必要なんて無いよな」と思う人が数人居て、中村さんは間違いなくその中の一人なのでした。 あの時、私は犬に向かって叫んだ…

うあー

『白夜行』のネタバレをうっかり聞いてしまう。自分がネタバレされそうになっていてブチ切れたヤツがなぜか大声で『白夜行は****んだろ』とかいきなり言い出した。近くに居たので完全にとばっちりを食ったかたちです。まぁいいけどね…。

芥川賞:絲山秋子さん、直木賞:東野圭吾さん

芥川賞:絲山秋子さん『沖で待つ』 直木賞:東野圭吾さん『容疑者Xの献身』 いやー、おめでとうございます。東野さんの『容疑者X〜』はすごいことになってますね。このミス1位、本格ミステリ1位、直木賞。すばらしい。白夜行もドラマ化で文庫の表紙が綾瀬は…

樋口直哉『さよなら アメリカ』

おそらく影響元と思われる『箱男』は未読です。袋を被る、という発想はなかなか面白く、途中まで楽しく読めていました。特に中盤の出逢いのシーンなどはすこぶる良かったと思います。ですが、最後のほうのまとめ方は余り納得いきません。今まで現実にとどま…

真梨幸子『えんじ色心中』を読み終わる。

こんなに分かりやすく某中学をテーマにしていいのだろうか…。と思いましたが、まぁあくまでフィクションなのでOKですよね!『現実の団体・学校・個人とは無関係です』ってヤツですよね! なら、僕は、あんたのママを殺す計画でも考えることにするよ。家庭教…

古川日出男『二〇〇二年のスロウ・ボート』を読み終わる。

またのタイトルを『中国行きのスロウ・ボートRMX』。 ストーリーとしては結構お粗末なものだったようにも思えます。しかし、そのある意味において浅い話というのが絶妙にリアルなようにも思えます。東京から出て行きたいと願う青年の三人のかつてのガールフ…

島本理生『リトル・バイ・リトル』

野間文芸新人賞受賞作。この人はかなり実力のある作家だと思います。最高傑作といわれる『ナラタージュ』は未読ですが(図書館で予約して待って借りて読まないで返したよ!)。 文章はややところどころ油断が見られますが(無駄に一文が長い、動作主がわから…

森博嗣『レタス・フライ』

やはり森さんは短編とかの方がピリリとしていて緊張感がある。質の低下を訴える人は多いですが、講談社ノベルスから出ているのは僕は好きです。S&MにしろVにしろGにしろ短編集にしろ。短編集は今までのヤツがどれも好きだったので、今回も期待していました。…

平野啓一郎『文明の憂鬱』

文庫版。単行本より補強されてエッセイが追加されてます。 なかなか面白かったです。少なくとも『日蝕』よりは(…)。『「なのに」と「だから」』という話は面白いですよ。それにしても、この人は本当にこの文体でやっていってるんでしょうか。現代短編集な…

古処誠二『フラグメント』がすごすぎた

初・古処誠二だったわけですが、いやーこれはすごい…。読み終えてしばし呆然ですよ。ミステリ的なたくらみも、メッセージ性もいうこと無し。素晴らしい。文章も読みやすい。読みやすいのに軽いわけではない。すごいです。 できるだけ内容は語りたくないです…

購入予定

【1月】 10日:河出文庫 『1980アイコ十六歳』堀田あけみ 11日:講談社ノベルス 『レタス・フライ』森博嗣 11日:文春文庫 『二〇〇二年のスロウ・ボート』古川日出男 『凍るタナトス』柄刀一 15日:講談社文庫 『リトル・バイ・リトル』島本理生 『分冊文…

去年の読んだ作家ランキング

去年一年間で読んだ本の合計は182冊でした。惜しくも200冊に届かず。今年は行くぞ!と、いうことでその内訳です。 1位 森博嗣:32冊 『工学部・水柿助教授の日常』、『詩的私的ジャック』、『工学部・水柿助教授の逡巡』、『封印再度』、『まどろみ消去』、…

12月読了本

01///『遮光』中村文則 02///『密室の鍵貸します』東川篤哉 03///『半落ち』横山秀夫 04///『共生虫』村上龍 05///『探偵伯爵と僕 His name is Earl』森博嗣 06///『子どもの王様』殊能将之 07///『新本格魔法少女りすか2』西尾維新 08///『ちーちゃんは悠久…

石田衣良『うつくしい子ども』を読んでるんだけど

ダメだ、読みすすめらんない。なーんかこの人の作品って、ダメ。苦手。好きな人が居るのもよくわかるんだけどね。 とりあえず何とか最後まで読もう…。

ファウスト別冊って

来年二冊発行される別冊ファウスト。 まぁ一冊は コミック・ファウスト 確定にしてももう一冊は何なんだろ。 独談会に出てきた ゴシック・ファウスト だったりして。執筆者は桜庭一樹さん…だけ(笑)あと嶽本野ばらとか?(イメージだけで語るのはよそう) …

佐藤友哉『佐藤友哉の人生・相談』&浅野いにお『ソラニン(1)』

ファウストvol.6 SIDE-B『佐藤友哉の人生・相談 相談の始末』 ユヤタンは確実に変わっていってます。初期の頃からのファンに『こどおこ』が不評だったりすることから、作家としての書きたいことみたいなのに変化があるのは明らかでしたが、今回はそれを遂に…

ということで

SIDE-A、B揃ったのでぼちぼち読んでいくとしますか。アホみたいな分量だな、これ。

結果のお知らせ

ファウストvol.6 SIDE-Bを買ってきました。脈あり、注目株についてトークされる独談会が掲載されています。僕の応募した第三次・第四次ファウスト賞両方まとめての選考結果でした。 結果から言いますと撃沈です。あー…。 第三次のほうはおいておくにしても第…

メールマガジンファウストが届いたけれど

はやめのパブロンがいまいち効いてくれないので手短に。 ってか22日発売て、近ッ。 編集長:来年は、本誌の『ファウスト』は二回刊行の予定です。つまり、Vol.7とVol.8を 2006年のうちに刊行しよう、と。あとは、別冊の『ファウスト』を二冊ほど 刊行し…

新潮文庫の

文豪の著作は表紙イメージが統一されていてすごくいいと思います。 改版の際に表紙を新しくしてるみたいだけど、そのままでいいのに。

中村文則『悪意の手記』を読む

「お前に、どうすればなんてないんだよ。いいか、お前には、そんなものは用意されていないんだよ。どうすることもできない状態で、苦しみ続けるんだ。そのままだ。そのまま、死ぬまで、苦しみ続けろ」 絶望的でありながら、絶望的であるが故に希望を生み出し…